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遺留分とは?遺言書を作るときに必ず知っておきたいポイント

 

 

遺言書を作るとき、「自分の財産は好きなように分けらる」と思われる方も多いかもしれません。

 

ですが、法律には配偶者やお子さんなど一部のご家族に、最低限の取り分を守るための「遺留分」という仕組みがあります。

 

この遺留分のことを知らずに遺言を書いてしまうと、のちのちご家族の間で思わぬトラブルにつながってしまうこともあります。

 

令和7年11月現在の情報です 

遺留分とは

遺留分とは、亡くなった方が持っていた財産のうち、配偶者や子どもなど一定の法定相続人に認められた、法律で保障された最低限の取り分のことです。

 

もし遺言によって、ある相続人の遺留分が侵害されている場合、その相続人は「遺留分侵害額請求」という手続きを通じて、他の相続人に対して金

 

銭の支払いを求めることができます。

 

 

■ 具体例:長男に全財産を遺したい場合

たとえば、田中さん(80歳)は妻と二人の子ども(長男・長女)がいます。

 

「長男が家業を継いでくれているから、全財産を長男に遺したい」と考え、遺言書に「すべての財産を長男に相続させる」と書きました。

 

しかしこの場合、長女にも「遺留分(全財産の8分の1)」が法律で保障されています。

 

そのため、長女は遺留分侵害額請求をすることができ、結果として、長男はその分の金銭を支払う必要が出てきます。

 

家族の絆を守るつもりの遺言が、思わぬ争いを招くこともあるのです。

 

 

遺留分が認められる人

遺留分は、亡くなった人の兄弟姉妹以外の法定相続人に認められた制度です。

 

遺留分の割合は、誰が相続人かで決まります。

 

■ 遺留分がある相続人

・ 配偶者
・ 孫などの直系卑属
・ 父母などの直系尊属


 

のみです。兄弟姉妹には遺留分はありません。

遺留分の割合

具体的な割合は次のとおりです。

(相続財産全体に対して)

・ 配偶者と子がいる場合         → 2分の1
・ 配偶者のみの場合        → 2分の1
・ 子のみの場合          → 2分の1
・ 父母などの直系尊属のみの場合 → 3分の1

■ 具体例:相続人→配偶者と子2人

相続財産の総額:2,400万円

 

 ➀相続人全員分の遺留分額
 
 このケースでは、
 2,400万円×1/2=1,200万円
 
 ②各相続人の遺留分額 
 法定相続分に応じて、1,200万円を分けます
 

 ・ 配偶者(法定相続分1/2)

    1,200万円×1/2=600万円
 
 ・ 子(法定相続分1/2を2人で分ける
    1,200万円×1/2×1/2=300万円ずつ
 

遺留分Q&A

Q1 代襲相続人に遺留分はありますか?

A

被相続人よりも先に子どもが亡くなっているときは、孫が「代襲相続人」として相続人になります。

 

この場合、孫も遺留分を持つ相続人に含まれます。

 

さらに、孫もすでに亡くなっていて、ひ孫が「再代襲相続」をする場合も、同じように遺留分の権利があります。

 

ただし、兄弟姉妹にはそもそも遺留分がありません。

 

そのため、兄弟姉妹が亡くなっていて甥や姪が代襲相続する場合でも、甥・姪には遺留分は認められません。


Q2 代襲相続人の遺留分の割合は?

A

本来相続するはずだった人(例:子)が先に亡くなっている場合、その人の取り分は孫が代わりに受け継ぎます。

 

そのため、孫が受け取れる遺留分の割合は、亡くなった子が本来持っていた遺留分と同じになります。

 

もし孫が複数いるときは、亡くなった子の取り分を、孫たちで分け合う(人数で割る) かたちになります。


Q3 養子に遺留分はありますか?

A

養子は、法律上は実の子どもと同じ扱いになるため(民法809条)、養子にも遺留分を主張できる権利があります。ただし注意点があります。

 

もし養子が養親より先に亡くなってしまった場合、その子ども(=孫にあたる立場)が代わりに相続できるかどうかは、「その子が養子縁組のあとに生まれているかどうか」で決まります。

  • 養子縁組後に生まれた子 → 代襲相続人になれる(遺留分もある)
  • 養子縁組の前に生まれていた子 → 代襲相続人にはなれず、遺留分もない

という点に気をつける必要があります。


Q4 相続する権利を失った人には、遺留分の権利はありますか?

A

遺留分の権利は、相続する資格を失った人にはありません。

例えば、

  • 犯罪などの理由で相続権を失った人(相続欠格)
  • 家庭の事情などで相続人から外された人(廃除)
  • 自分で相続を受けないと決めた人(相続放棄)

これらの人には、遺留分も認められないという扱いになります。


Q5 相続する権利を失った人の子には、遺留分の権利はありますか?

A

被相続人の子どもが、相続欠格になった場合 や 廃除された場合 は、その子ども(=孫)が代わりに相続する「代襲相続」が起こります。

 

そのため、孫は遺留分を主張できる立場になります。

 

一方で、子どもが 相続放棄をした場合 は事情が違います。

 

相続放棄では代襲相続は起こらないため、放棄した子の子ども(孫)は、相続も遺留分も受けられません。

遺言書を作成するときのポイント

遺言を作るときに、あらかじめ遺留分を意識しておくことはとても大切です。

 

遺留分を踏まえた内容にしておくことで、ご家族の間で余計な誤解やトラブルを防ぎ、気持ちよく次の世代につないでいくことができます。

 

「将来の安心のために、少しだけ丁寧に準備しておく」という姿勢が、結果としてご家族の関係を守るいちばんの方法といえるでしょう。

1.相続人を正確に把握する

遺留分を意識して遺言を作るうえで、まず大切なのが「誰が相続人になるのか」を正確に把握することです。

 

相続人は、配偶者や子どもだけでなく、子が先に亡くなっている場合は孫が代わりに相続するなど、家族構成によって変わります。

 

さらに、養子がいる場合や、相続欠格・廃除・代襲相続といった特別なケースも関わってきます。

 

そのため、遺言を作成する前に、自分の相続人は誰なのか、どこまでが遺留分を持つのかを押さえておくことが、

 

円満な相続につながる大きなポイントです。

2.財産の全体像をつかむこと

遺留分を考えながら遺言を作るためには、自分の財産がどれくらいあるのかを正確に把握することが欠かせません。

 

相続の対象となる財産には、不動産・預貯金・有価証券・保険金の一部・貸付金など、さまざまな種類があります。

 

まずは、どんな財産がどれだけあるのかを一つひとつ整理してみましょう。

 

不動産であれば固定資産税評価額や簡易的な査定、預貯金や株式であれば残高・時価など、おおよその評価額をつけて全体像をつかむことが大切です。

 

財産の総額が分かれば、そこから遺留分を計算することができ、

 

「どの範囲まで遺言で自由に分けられるのか」「誰にどの程度の配慮が必要なのか」

 

が自然と見えてきます。

3.トラブルを避ける工夫をする

遺留分を侵害する可能性があるときは、代償金の指定や保険・生前贈与の活用などで調整が可能です。

 

 

具体例:遺留分を考慮した分け方

 

佐藤さん(75歳)は、妻と一人息子・一人娘がいます。

 

自宅の土地建物は息子が同居して守ってくれているため、「自宅は息子に遺したい」と考えました。

 

一方で、娘には「公平にしたい」という思いもありました。

 

そこで、佐藤さんは遺言書に「自宅は息子に相続させる。その代わり、預貯金300万円を娘に相続させる」と記載。

 

このように遺留分を踏まえて分け方を工夫することで、後の争いを避け、家族全員が納得できる形にすることができます。

4.付言事項で気持ちを伝える

「なぜこのような分け方にしたのか」「家族への感謝の気持ち」などを付言事項として記しておくと、残された方々の理解を得やすくなります。

 


具体例:介護してくれた子どもへの配慮を書く例(介護への感謝を伝えつつ、ほかの相続人への配慮も添える)

 

「長い間、私の生活を支え、介護を続けてくれた〇〇には深く感謝しています。この気持ちを形にしたく、このような分け方にいたしました。

 

ほかの皆さんにも変わらず感謝していますので、どうかご理解いただければ幸いです。

 

相続のことで、どうか皆で争うことのないようにしてほしいと思っています。これからも家族仲よく支え合っていってください。」

専門家に相談しながら作成を

遺留分の計算や調整は、法律的にも実務的にも複雑です。

 

特に不動産が複数ある場合や、相続人同士の関係が微妙な場合には、慎重な検討が必要になります。

 

司法書士が法的な観点からサポートすることで、将来のトラブルを防ぎ、想いをきちんと伝える遺言書を作ることができます。

 

 

「家族がもめないようにしたい」 「安心して託せる遺言にしたい」

 

そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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