住宅ローンを完済したとき、「これで手続きはすべて終わった」そうおもわれる方は少なくありません。
しかし、住宅ローンを完済しただけでは、登記簿上の抵当権は自動的に消えません。
実際、完済後に金融機関から書類を受け取ったものの、そのまま引き出しにしまったままになっている、というご相談もよくあります。
この記事では、住宅ローン完済後に必要となる「抵当権抹消登記」について、なぜ手続きが必要なのか、放置するとどうなるのかをわかりやすくご説明します。
住宅ローン完済後の抵当権について
住宅ローンを借り入れる際、金融機関は返済を担保するため、ご自宅の不動産に抵当権を設定します。
この抵当権は、ローンを完済すれば実質的には役割を終え、法律上も消滅しています。
ただし注意したいのは、ローンを完済しても抵当権が自動的に登記簿から消えるわけではないという点です。
| 登記簿上の抵当権を消すためには | |
| ↓ | |
| 「抵当権抹消登記」を法務局へ申請する必要があります |
申請をしない限り、登記簿には抵当権が残されたままの状態が続きます。
住宅ローンの契約では、多くの場合、抵当権抹消登記にかかる費用は、所有者(又は債務者)が負担することになっています。
そのため、金融機関から交付された書類をもとに、ご自身で手続きを進めるか、司法書士などの専門家に依頼することになります。
抵当権が残ったままでも、すぐに困ることは少ないかもしれませんが、将来、不動産を売却したり、相続が発生した際に、思わぬ手間や時間がかかることもあります。
住宅ローンを完済されたタイミングで、早めに抵当権抹消登記を済ませておくことが安心につながります。
抵当権抹消登記を放置した場合のデメリット
長期間放置してしまうことで、次のようなデメリットが生じる可能性があります。
■ 不動産の売却や担保設定がスムーズにできない
不動産を売却する際や、新たにローンを組んで担保に入れる際には、登記簿上の抵当権が抹消されていることが前提となります。
抵当権が残ったままでは、買主や金融機関から手続きを求められ、売却や融資のスケジュールに影響が出ることがあります。
■ 必要書類の再取得に手間がかかる
完済時に金融機関から交付された書類は、抵当権抹消登記に欠かせないものです。
長期間保管しているうちに紛失してしまうと、金融機関に再発行を依頼する必要があり、時間や手数料がかかる場合があります。
また、金融機関が合併や廃業していると、手続きがさらに煩雑になることもあります。
その結果、本来であれば早く済むはずの抵当権抹消登記に余計な手間がかかり、時間や費用の負担が増えてしまうおそれがあります。
■ 相続が発生した際に手続きが複雑になる
抵当権抹消登記をしないまま相続が発生すると、相続登記とあわせて抵当権抹消登記を行う必要があり、手続きが一段と複雑になります。
本来、抵当権抹消登記は金融機関から交付される書類を使って比較的スムーズに行えます。
しかし、長い期間が経過している場合、
- 金融機関が合併・名称変更している
- 担当部署が分からない
- 必要書類が再発行になる
といった問題が生じることがあります。
当初であれば短期間・低コストで済んだはずの手続きが、時間もかかり、余計な費用が発生してしまうケースも少なくありません。
将来の相続手続きを円滑に進めるためにも、住宅ローンを完済した時点で、早めに抵当権抹消登記を済ませておくことが大切です。
■ 手続きにかかる負担が結果的に大きくなる
「いつかやろう」と先延ばしにした結果、状況が変わり、かえって手間や費用が増えてしまうこともあります。
特に相続が絡むと、早めに抹消しておけば簡単に済んだ手続きが、複数の登記を同時に進める必要が出てくることもあります。
▶ 早めの対応が安心につながります
抵当権抹消登記は、住宅ローンを完済したタイミングで行っておくのが理想です。
不動産を安心して保有し続けるためにも、「今すぐ困らないから」と放置せず、早めに対応されることをおすすめします。
まとめ
住宅ローン完済後の抵当権抹消登記は、つい後回しにされがちですが、早めに手続きをしておくことで将来の売却や相続も安心です。
書類の確認や申請に不安がある場合は、司法書士に依頼することで、スムーズに手続きを進めることができます。
住宅ローン完済後の抵当権抹消登記や不動産登記の手続きでお困りの方は、
司法書士高見事務所が状況に応じた丁寧なサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
