子どものいない夫婦の場合、どちらかが亡くなると、配偶者だけでなく、亡くなった方の両親や兄弟姉妹が相続人になる可能性があります。
遺言書がないと、これら親族全員で遺産分割協議を行う必要があり、手続きや人間関係の面で大きな負担となることもあります。
遺言書の有無や作り方によって、遺された配偶者の安心や手続きの負担が大きく変わります。
ここでは、安心度や費用面を踏まえ、状況に応じた遺言方法をご紹介します。
公正証書遺言
■ 最も安心できる方法
公正証書遺言は、公証人が法律に基づいて作成する遺言書であり、方式不備により無効となるおそれがほとんどなく、確実性の高い方法です。
特に、子どものいないご夫婦の場合、残された配偶者の権利と生活の安定を守るうえで、有効かつ確実に意思を残せる点が大きな安心につながります。
▶ 当事務所が公正証書遺言の作成をサポートいたします。
「何から始めればよいのか分からない」「自分たちの場合はどのように準備すればよいのか」
そのような不安にも、司法書士が一つひとつ丁寧に寄り添いながら進めていきます。
必要書類の収集から内容の整理、公証人との調整までサポートし、安心して遺言を形にできるようお手伝いいたします。
■ メリット
| 1.法的に最も確実で無効になりにくい |
遺言は民法で定められた方式に従う必要があります(民法960条)。また、内容や結果を理解できる「遺言能力」が必要です。
公正証書遺言は、公証人がこれらの要件を確認して作成するため、要件不備で無効になるおそれがほとんどありません。
| 2.公証人が意思を確認して作成するため、争いが起こりにくい |
自筆証書遺言は、相続人や財産の書き方が不十分だったり、表現が曖昧だったりすると、内容の解釈をめぐって争いが生じることがあります。
一方、公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が内容を確認しながら作成するため、解釈をめぐるトラブルが起こりにくいのが大きな特徴です。
| 3.原本が保管され紛失や改ざんの心配がない |
自筆証書遺言の場合、保管状況によっては紛失や隠匿・改ざんなど、トラブルが生じる可能性があります。万が一争いになった場合、筆跡鑑定や遺言無効の手続きが必要となり、時間や費用の負担が生じることもあります。
その点、公正証書遺言は公証人が作成し、原本が公証役場に保管されるため、内容が確実に残り安心です。大切な方へ確実に思いを届けたい場合に適した方法といえるでしょう。
| 4.家庭裁判所の検認が不要で手続きがスムーズ |
公正証書遺言は家庭裁判所の検認が不要なため、お手元にある遺言公正証書正本又は謄本を使って、すぐに相続手続きを始めることができます。
| 5.高齢や病気などで字が書けない場合でも作成できる |
原則として遺言者の署名は必要ですが、自筆証書遺言のように全文を自分で文字を書く必要がありません。
また、遺言者が公証役場に出向けない場合、公証人に自宅や病院などに来てもらい、公正証書遺言を作成できます。
■ デメリット
| 1. 作成に一定の費用がかかる |
公正証書遺言は、公証人が作成するため手数料が必要です。一般的に、公証役場へ支払う費用は5万円程度で、財産額や財産を受け取る相続人の人数などに応じて変動します。
また、専門家へ作成サポートを依頼する場合、当事務所では報酬8万円台(証人2名立会費用含む)から承っており、作成する遺言書の内容や財産の内容などにより変動します。
| 公証人手数料 + 司法書士サポート費用 | |
| 13万円~20万円程度 |
※費用は内容や状況により異なります。
| 2.証人2名を用意する必要がある |
公証役場や司法書士に手配を依頼することも可能です。
自筆証書遺言+法務局保管制度の活用
■ 費用を抑えたい場合の最適な方法
費用をできるだけ抑えつつ、遺言書を確実に残したい場合は、自筆証書遺言を作成し、法務局の保管制度を利用する方法があります。
法務局で保管することで、紛失や改ざんのリスクを防ぎ、家庭裁判所の検認手続きも不要になります。
ただし、前提として重要なのは、遺言書の内容や形式に不備がないよう専門家のサポートを受けて作成することです
ご自身だけで作成した場合、方式の不備や表現の不明確さにより、いざ相続手続きを行う段階で無効と判断されてしまうケースも少なくありません。
それでは、大切な方のために残した遺言が役立たなくなってしまいます。
費用を抑えながらも確実性を高めるために、専門家の助言を受けつつ作成することが安心につながります。
| 3.遺言者本人が法務局へ出向く必要がある |
■ メリット
|
1. 公正証書遺言より費用を抑えることができる |
当事務所では、相談から文案作成、保管制度の申請サポートまで含め、7万円台から承っております。
保管制度の手続に必要な手数料は、申請1件(遺言書1通)につき3900円です。
| 司法書士サポート費用 + 保管制度手数料 | |
| 73900円~ 10万円程度 |
※費用は内容や状況により異なります。
|
2.遺言書の破棄・隠匿・改ざんの防止につながる |
遺言書は法務局で保管されるため、相続人などの利害関係者による破棄や隠匿、改ざんといったリスクを防ぐことができます。
| 3.家庭裁判所の検認が不要 |
法務局の保管制度を利用した遺言書は、家庭裁判所での検認手続きが不要です。
■ デメリット
| 1.相続開始後、相続人による証明書取得の手続きが必要になる |
遺言者が亡くなった後は、相続人等が法務局に対して遺言書の内容を証明する「遺言書情報証明書」の交付請求を行う必要があります。
相続手続きは、「遺言書情報証明書」を使って進めていくことになります。
請求の際には戸籍関係書類などの提出が求められるため、手続きの準備や取得の手間が相続人の負担となります。
| 2.全文を自筆で作成する必要がある |
自筆証書遺言は、遺言書の全文を遺言者本人が手書きしなければなりません。
そのため、高齢や病気などにより文字を書くことが難しい場合には作成できないという制約があります。
| 3.遺言者本人が法務局へ出向く必要がある |
遺言書保管制度を利用するには、遺言者ご本人が遺言書保管所(法務局)へ出向いて手続きを行う必要があります。
そのため、高齢や病気などの事情により来庁が難しい場合には、この制度を利用できない点に注意が必要です。
まとめ
子どものいないご夫婦にとって、遺言書は配偶者の生活と安心を守る大切な備えです。
| ▶ 確実性・安心感を重視するなら | |
| ↓ | |
| 公正証書遺言 |
| ▶ 費用を抑えつつ安全性確保なら | |
| ↓ | |
| 自筆証書遺言+法務局保管制度 |
「何から始めればよいのかわからない」「自分たちに合った方法を知りたい」と感じたときは、早めの相談が安心につながります。
当事務所では、ご夫婦の状況やご希望を丁寧にお伺いし、将来の不安を減らすための遺言作成をサポートしています。
まずはお気軽にご相談ください。
